歩いてみることにした   1999.7.21 記

歩いてみることにした
とても遠く果てしない道を歩きはじめている
手を引いてくれる人がちゃんといて考える間もなく引かれるままに進んでいるのだ
しっかりと握っている手はとても強くて立ち止まろうとさえしない
もう歩けない程に疲れてしまっているのに
いつのまにか後押しまでされていて
どうやらたくさんの人達が自分を支え見守っている
このまま、歩き続けなければならない様だ。


回りを見渡してみると、ここは日差し柔らかい暖かな一筋の長い道
様々な人が現れては声をかけてくれるやさしい道だ。
そんな暖かな道を歩き続ける事が嫌という訳ではないんだけれど
なぜか何処かでつまらなさを感じ始めている
なんとなくこの道の行き着く先が見え始めたからなのかもしれない
そんなふうに思え始めたら急につまらなくなってきて
生意気にも一人で勝手に別の道も歩いてみたいと考えている

そのうち思い切って飛び出してしまった
まるで自由を手に入れたかの様に、はしゃいで突っ走っている
怖い物はなにひとつない
気付くと知らないうちに、風景は変わり誇り高き自分がぽつり。
・・・・・そして途方に暮れている、誰もいない
いったい何処へ進んでいるのか方角さえも分らなくなってきた。
・・・・・少し寒い。
手を差し伸べられていたころが懐かしく思い出されてくる
・・・・・凄く悲しい

すっかり道は冷たくなって細くなり
しかもゴツゴツしていて歩きづらい
苦しくて苦しくてたまらない
それでも泣きながら一人歩きを続けている。
こんなに寂しい思いをしたのは初めてだ
人の視線が凄く冷たく身にしみる

そのうち仕方がないと諦めて歩き始めたら、少し慣れてきだした。
とはいうものの、やっとの思いで歯を食いしばり歩いているのに
今度はそれをさえぎる人が現れて、いろんな邪魔をし始める
転んで倒れるのを待っている
転ぶと笑う声が聞こえ、立ち上がる度に重い荷物を背負わされている
もう歩く事が嫌になってきた。歩けない。
なぜ、こんな思いをしてまで歩かなければならないのか分らない
体中、傷だらけだ
それでも誰も助けてはくれない

凄く離れた隣の道から何となく微かな声が聞こえた
懐かしい様な気さえする
何を言っているのか分らないが、とても優しい顔をしている
・・・・・少し元気が出てきた
もう一度歩いてみようと立ち上がった
・・・・・さえぎる人が多少気にならなくなった
しかし常に見つめているのは隣の道になっていた
・・・・・そのうちに
今歩いている道と、隣の道が少しずつ近づいてきだして、
・・・・・もう、声も形もよく分かる
自分の歩いているこの道は、いまだ、障害物がたくさんあるが、
つまずきながらも力強く歩くほどに
どんどん、どんどん近くなる

隣の道は、凄く大きな巨大な道で
良につけ悪きにつけ様々な人達の渦巻く新たな道。
もうそこまで来ている

いずれこの道は、あの巨大な道に交差する
心奥深くその日を待っている

その道が、本当の自分の道に違いないと信じて・・・・・・・・・。

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