朝もや                       1999,1,6,記

ある日の朝、数河峠の上り坂。
ひとり車を走らせていた時だった。
空気は冷え、川は暖かくなってきた初冬のことである。
いつもならめっきり冷え込んでいるのに、今日はなぜかどんよりとした曇り空。

もう9時だというのに、まだ空はどんよりとしたままである。
目の前は依然深い霧が立ち込めていて光を吸収している。
ふと見ると、西の山並みに少し晴れ間が見え始めた。
・・・・・その時・・・・・。
朝もやが東に向かって流れ出した。
何かに吸い込まれるかの様に流れていく。
みるみるうちに、どんどん、どんどん、流れていく・・・。

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紺色の心                    2001,4,20,記

夜道を歩いている
月の雲間。群雲の流れ・・・・。
しんと冷えた静けさにひとり
果てしなく、黒に近づく紺の果てを見つめ
ただ、透けてゆくのを待っている
限りなく遠く澄みきった光と影に・・・。
心の底の、ガラスケースの一筋の
ひび割れの・・・・・・欠片のひかり
私は全てを打ち消して
黙して歩く、草の道

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