まぼろしの風

上着の襟をたてて激しく
お前は穏やかさに耳をふさいで、
          もう、壊れていると諦めてきた。

ひとりの夜に、ひとりに包まれ
小さなスタンドひとつの暗い部屋。

白と黒のモノトーンの視界で
人と自分が、どれだけ削ぎあい落としあったか?
それを、かき集めてきたこの手と傷に、
      生きのびてきた愚かさを見ずにはいられない。

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風景を考える

数日前、私の事務所に、
  老舗の改装に伴って塗り壁の依頼をしたいという夫婦が
                     北陸方面から訪ねてきた。

私は、仕事の依頼を受ける時、必ずこう言う。

どうか是非一度、

私の事務所にある100以上に渡って作って来た、
         塗り壁のサンプルの肌合いや色合いを
                  その目で直接見てほしいのです。

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