ずらり布団が並んだ大部屋
鉄線で吊ったベニア板を水平に、
ブラウン管のテレビがひとつ
座布団に散らばった花札
折りたたんだ布団を背もたれに
腕を組んだ、しかめっ面。
挾土秀平のブログ
ずらり布団が並んだ大部屋
鉄線で吊ったベニア板を水平に、
ブラウン管のテレビがひとつ
座布団に散らばった花札
折りたたんだ布団を背もたれに
腕を組んだ、しかめっ面。
霧の夜を眺めている
旅先の坂を下った海だった
沈んだかすみの向こう
海とも空ともいえぬ暗がりから
海面を這う霧
灰色の霧がこの前に迫ると
灰色の霧は競りあがり
波が破れて砕ける。
汗ばんだ首筋にタオル一本
いま、どっと腰を下ろし
地下足袋から雪駄へ履きかえて
足袋、両の手でパンパンと叩いてほこりを払い、
揃え合わせたところで
ハイ、今日の仕事はここまで。
ここのところ、いろいろ憤慨することが多くて困ってしまう。
そのストレスの因果で、どうしても愚痴めいた始まりになってしまうが、
最終的には、
素敵な話に変わる展開になっているので、
このブログの序盤、しばし暗い話に辛抱ねがいたい。