師からの手紙 4

10月19日から11月末日まで、ニューヨークへ行く。

そんな中で11月14日から11月27日まで
チェルシー地区のRogue Space Chelsea Galleryというギャラリーで個展を開くことになった。

あえて左官ということばを使わず
    【 HANDS INSPIRED BY NATURE 】
        (自然から触発される手)と、名づけようと思っている。

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そこに、NYに向けて師から手紙が来た。

秀平へ

過日、東京ではお世話になりました

ニューヨークでの個展の話、
       【刺青】をテーマにした作品はどうだろうか

                   秀平の作品はすべて水と土の花

刺青(タトゥー)という過激なテーマは
美は傷のほか起源をもたないというフランスの詩人
ジュネの言葉のように、土壁は水と風と時の記憶

傷から生まれた花なのだという宣言
          (マニフェスト)をこめて・・・・・。

自然と人との間に美を生みだす
           シャマンとしての左官として

かつて、
自然の森羅万象には神々が宿り

草木はものいい、山野にはチミモウリョウか、
アマノジャクがすまい、鳥獣虫魚、生きとし生けるものは
精霊となって、天地の間をざわめいていた

今それらの神々は、
鉄とガラスとコンクリートと電脳の世界から
追放されて地獄をさまよっている

刺青とはまこと地獄から精霊を呼びだすこと
無垢で無償な自然である、土の塊に水と風を呼ぶことで

縄文の八百万の神々を蘇らすことだ

葛飾北斎の赤富士にかわる新しい富士
俵屋宗達の風神雷神図にかわる新しい風神雷神図、
円空のナタ彫りの両面宿儺の彫刻にかわる、新しい像・・・・

秀平の水と土の技芸に風を呼ぶことで
         なにか21世紀の芸術が生まれるのではないかと・・・・

私たちは、最後の庭に生きているのだから、
               ゆくところまでゆくのがいいのだ。

夏の終わり
曇った空の下
茨の葉蔭をゆるゆると舞う黄蝶
フェアリーゾーン
最後の庭

遅い朝
窓辺から眺めるいつもの庭

ラジオから漏れてくる
       甲状腺ガンのフクシマの子等

ここは最後の庭なのだ

空調された風
水道管で分割された水
時刻表に刻まれた時間
ナンバーを打たれた土地

すみずみまで計測され管理された
土と水と風をとき放すことは傷を負うこと
みずからの塊に刺青すること

いわば
秀平の作品は現在の風景への刺青なのだと
              私は勝手に、そう思っている

ニューヨークでの展示の構想は進んでいますか
私の方はこの夏の暑さで廃人のていです

ただ、御支援いただいた資金でクーラーがなおり
なんとか夜を過ごすことが出来
有難く感謝いたしております。

涼しくなったらまたお逢いできるものと
楽しみにしています。

                 草々

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