はじめての地

広漠な地平を眺めている
遠い向こうまで雲が立ち込めている。

長い旅の車窓は

見下ろす斜面が、丸い地平にのめり込み
海のような雲が、水平遠くそり返って行く


空と地表のその間に
枯れたススキが輝いて過ぎた
冷たい風を駆ける子どもを見つけて見失なった。

過ぎゆく景色は
身体の奥で徐々に響きに変わり

その残響を持ったまま
ホームに降り立つと

進むこの道の先に
いつかどこかで感じた空気を想う

人けのない水田の反射
流れる川の冷たい水模様に

自分の知らない自分が浮きだして歩く

戻っているに違いないと歩く、はじめての地。

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