10年の節目

2001.9.11朝・・・・ 

テロリストが操縦する乗っ取り機が、米国の心臓部を直撃するという、
              世界中を揺るがせた≪米中枢同時多発テロ事件≫

アメリカン航空11便を始めとする4機の民間旅客機が、

アメリカ軍国防総省(ペンタゴン)と、
      ニューヨークの世界貿易センタービル(WTC)に
                 乗客を乗せたまま突入した大惨事は、

記憶に古くなる事がないほどの衝撃として、
                    誰もの心に強烈に残っている。


WTCビルは数時間後、
 映像を通して世界中の人々の目の前で、
              まるで雪崩のように、2棟とも崩壊し、
    
ビル内にいた
  避難中のほぼ全員の人達が、
             ガレキの下に消え去った。

死者、行方不明者はWTCビルが2811人。ペンタゴン189人。 

墜落した旅客機が44人で、
     延べ3千人を越える人達がその一瞬に命を落とした。
                            ( 内、日本人24人 )

当時世界中が、この一瞬を捕らえた映像をいったい何度、
                 そして、どんなふうに見ただろうか?

あの巨大なビルの崩壊は同時に、
    大量殺人の現場そのものであり
             人々の悲鳴さえ、
    
         ビルの破壊音にかき消されてしまっていたに違いない。   

あまりに突然で・・・ 思いもよらぬ一瞬で・・・ 
       いとも簡単に・・・・ただ人が漠然と
                  目の前で消えた映像・・・・・。

理解を超えた、受け止めようもない・・・・・・
            簡単な死を世界中が直視したのである。

犠牲者全員は、家族や、
    愛する人の行く末を願うこと、
                自らの死期を悟り、

その人生を、振り返ることさえ許される時間もなく、
             伝えなければならないことも、
                     託すこともないままに・・・・

そのほとんどは皆、まさに人生の夢の途中・・・・

突然として、
   この世を去らなければならなかった犠牲者の意識は、
            いまどこにあるのだろうかと考えてしまう

自分には、3000人の身体は、
   あの一瞬で滅びたのかもしれないけれど、
              きっとその一つ一つの心。

個々の魂はまだ、おさまるべき所におさまっては
                 いないように思えて仕方がない。

ともすれば、あの犠牲者達は、
    まだ肉体が滅んだ事すら解っていないのではないかと
                     想像してしまうのである。 

秒針は、いまだに止まったままで、
     心と身体を裂かれたまま行き場を失い、
         肉体は失ったが、意識はまだそこにあるのではないか?

爆心地《グラウンド・ゼロ》では、
     現在を生きている側からの追悼と祈りが、
             全米を中心に奉げられてきたものの、

敢えて死した側から、もう少し深く考えてみたい、
         あの心と魂は本当に癒され、静んでいるのだろうか?

自分は、とりたてて深い信仰がある訳ではないが、

それとは関係なく考えても、
        最も自然な命の始まりに還る以外に、

彼等の魂の本当の平穏は、ないのではないか?
                   と思ってしまう。

生まれる前の戻るべき所へ、まだ召され、
               帰れていないかもしれない?

なぜなら、
   その個々の亡骸の灰ひとつ見分け、
           拾い集めることはできないのだから、

              

自分は当時、
   様々な催しが行われる報道に、
            こんなふうに真剣に思っていた。

生まれた場所、故郷であり、山や川や草花や、
      父や母や幼き頃の友の懐かしき土の匂いを・・・・

        あの地に集め、香らせるのが最もふさわしいやり方だと。

地球上の動植物の生命が、生まれ、芽を伸ばし、
                実を結び、朽ちて土に返り、
                 また新しく生まれ変わって行く様に、

爆心地《グラウンド・ゼロ》に、
        さ迷う魂を静め、鎮魂とし、
             冥福を祈る、その方法は、

        当時、とり行われたやり方ではなく、もっと他にあると。

アメリカは、
  リジリエンス(回復力)を合言葉に
        復興を目指し再出発を誓っている・・・ と、
                  しきりに報道されていた。

しかし彼等は本当に、
       この地で流れるレクイエムに納得し、聴いているだろうか?


そこで、犠牲者のそのルーツを探ると、 NYタイムス2002 4/19付から

《米国・州別》                  
ニュウージャージー     662     
マサチューセッツ       81      
コネチカット          61      
カルフォルニア        27      
ペンシルバニア        27    
ニューハンプシャー       8
イリノイ              7
ロードアイランド         5
ジョージア            4
Maine               3  
メリーランド            3
バージニア             3
フロリダ              2
テキサス              2
アリゾナ              1
コロラド               1
インデイアナ            1
ルイジアナ             1  
ミシガン               1
ミズーリ               1
ニューメキシコ           1
オハイヨ               1
テネシー              1
ユタ                 1                 
  計=2106

《国別》
アメリカ             2106
英国               53
インド               34
ドミニカ              25
ジャマイカ            21
日本               20
中国               18
コロンビア            18
カナダ              16
ドイツ               16
フィリピン            16
Trinidad and Tobago   15
Guyana             14
エクアドル            13
イタリア             13
ウクライナ            11
韓国                9
ポーランド             8
ロシア               8
Haiti               7
アイルランド           7
パキスタン            7
台湾                7
キューバ             6
ユーゴスラビア         6

  その他143 計=2617
         
                 

彼らの生まれた土地の、
      国境や、あらゆる制約を超えて、

犠牲者の国の、その街の土を、
   世界中の国がドラム缶に1本ずつ、
             船に乗せて運び、あの地へ送り届ける。

世界の故郷の土を
   《グラウンド・ゼロ》に集めるのが
            最も良い鎮魂になると思えるのだ。

2001年4月1日

職人社秀平組が、結社して、
         それから5カ月後に起きた≪9.11≫を、

明日をも知れず、
   仕事もろくにない、不安な日々の中で、
            俺達は画面をじっと見ていた。

自分はその時、
  俺達なら、世界のどんな土でも、まとめてひとつにし、
    その鎮魂の塔を作ることが出来る、そう思った事が思い出される。

25カ国24州の土を、
    積み重ねて、そびえ立つ、
           ひとつの塔を作ってもいい。

25カ国24州の土で、
     巨大な一枚の壁を、立ち上げることだって、
                    出来るはずだと。

魂は、故郷の土に吸い込まれて戻り、
           そこに眠り、おさまることが出来ると思うのだ。

それは同時に、
   平和を願う小さな地球の塔として
          世界の人々が納得できる姿に違いないと。

           結局それは、叶うはずもなく過ぎてしまったが

2011年、我々と9.11は、10年目の節目を迎える。
      
         10年前のあの時、俺は、この事を真剣に考えていた。

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